DFS (Distributed File Services)ジャンクションは、ネットワーク内にある別のストレージボリュームにシステム管理者が再配置したディレクトリとそのディレクトリの内容のプレースホルダとして機能する、仮想的なファイルディレクトリです。DFSジャンクションは、前にデータがあった場所と現在データがある場所の間のシンボリックリンク(ショートカット)として機能します。
ブラウザウィンドウでは、DFSジャンクションは通常のディレクトリと同じように表示されます。ディレクトリを開くとファイルシステム情報が普通に表示されますが、そのディレクトリに格納されているデータとファイル構造は別の場所にある物理的なストレージボリュームのものです。ただし、ディレクトリの[プロパティ]ダイアログを開いた場合は、目的のディレクトリではなくDFSジャンクションのプロパティが表示されます。
このようなディレクトリのデータへのアクセスに問題がある場合は、実際にデータがある場所でサーバが停止している可能性があります。このような問題は、システム管理者に報告してください。このとき、[プロパティ]ダイアログの[DFSジャンクション情報]タブに表示される情報も報告するようにしてください。
DFSジャンクション名
選択したディレクトリのジャンクション名(たとえばjncs1data)が[プロパティ]ダイアログの上部に表示されます。DFSジャンクションのパス
[プロパティ]ダイアログの上部に表示されている選択したDFSジャンクションへの物理的なパスです。一般に、ここに表示されるパスは、ユーザが現在自分がいると考えるパスとは異なります。これは、任意の数のDFSジャンクションを経由してジャンクションの物理的なストレージロケーションに到達する場合があるためです。
デフォルトでは、Novell® ClientはNDS (Novell Directory Service®)のドットフォーマットでパス情報を表示するようディレクトリブラウザに指示します。NDSのドットフォーマットが有効になっている場合、DFSジャンクションのパスにはNDSの一般名が表示されます。次に例を示します。
\\servertree\servername_volumename.servercontext
NDSのドットフォーマットが無効になっている場合は、Windows*のエクスプローラと同じように、円記号で区切る形式でパスが表示されます。次に例を示します。
\\servertree\servercontext\servername\volumename
DFSジャンクションのターゲット
DFSジャンクションが指しているボリュームへの物理的なパスです。これは、システム管理者がDFSジャンクションを作成したときに古いディレクトリとその内容の移動先となった、新しいボリュームの物理的な場所です。[DFSジャンクションのターゲット]には、目的のサーバのIPアドレスとボリューム名が表示されます。次に例を示します。\\192.168.1.1\newvolumename
DFSジャンクションとは
Novell® NetWare 6.0以降では、システム管理者はデータのエンドユーザに意識させることなく、ユーザデータの物理的な位置を変更できます。これを行うには、このようなディレクトリとその内容のプレースホルダとして機能するDFSジャンクションを作成します。ファイルシステム構造で、そのボリュームのルートディレクトリと最下位のサブディレクトリの間にある任意のディレクトリレベルが、この対象となります。サブディレクトリやデータを含め、指定したディレクトリより下にあるすべてのものが、元の場所からネットワーク内の新しい場所に移動します。
このようなファイルシステムにあるデータにユーザがリクエストを送信すると、NetWareはジャンクションを認識し、ディレクトリの新しい場所を検索し、そのパスに従ってリクエストをリダイレクトします。リダイレクトはユーザの関与なしに行われ、ユーザから見たデータへのパスは変わりません。データは新しいボリュームに格納されますが、ディレクトリ内のデータについてユーザが持っているアクセス権は同じように適用されます。
ユーザからは、ジャンクションはディレクトリブラウザに表示されるサブディレクトリのように見えます。ただし、このようなジャンクションをユーザが作成することや操作することはできません。
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